2009年6月27日 (土)

入管法大改正について思うこと(その1)

 入管法改正案が今月19日に衆院通過,野党からの要求による特別永住者の在留カード携帯義務削意外は政府提出法案の通り。

 改正法の内容は,全般的にみると一部を緩めているものの,やはり管理強化感じる内容だ。外国人問題に関しては,一部の人権を標榜する過激派くずれや,世間の常識を理解しようとしない頭でっかちの法律家さんたちを除き,一般国民輿論は年々厳しい方向に向かってきているので,すんなり通って当たり前ということか。

 第一に感じたこと,‘憲法の芦部先生の学説が実定法化されたんななあ’・・・再入国の自由は憲法上の権利としては否定されるのが判例であり通説でもあったと思うが,今回の改正法では正規滞在者の再入国許可制度が一部廃止になり,在留資格の枠内で再入国が包括的に事前許可された形になる。これは,「定住外国人の再入国は,生活の本拠に戻ることであり,個人の尊厳の見地から定住外国人の再入国の自由を否定することは酷である・・・」という趣旨が芦部憲法に書いてあるのが実定法になったという風に私の脳には条件反射的に感じたのだ。

 この改正には,こんな私の思いという名も無い一人民のたわごとはさておき,実務上整理しておかねばならないことが沢山ある,これから一つ一つ検討してみよう。

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2009年6月 4日 (木)

外国人雇用者・外国人従業員は準備しておいてください

 改正された在留資格の変更,在留期間の更新許可のガイドライン」の中で,外国人を雇用する企業の方や外国人従業員本人に気をつけてもらいたいのは

『8  社会保険に加入していること
 

 社会保険への加入義務がある場合には,当該義務を履行していることが必要です。
 なお,平成22(2010)年4月1日以降は,申請の際に窓口で健康保険証の提示を求めることとなります。』

の部分です。法律上は適用事業所につき社会保険加入義務があるといっても,会社負担金額の大きさから,「社会保険に加入などしようものなら企業経営そのものに危機が・・・」という中小企業が多いのが現在の日本の実情ですから,正社員として日本企業に雇用されていても社会保険に加入していない外国人は相当多いと推察されます。

 本人も使用者もこれまで問題がおきていないからということで,余り気にとめていなかった事項かも知れませんが,このような手続き的な事で,在留期間更新が不許可になったり期間短縮とされるリスクが高まってくるということです。

 来年4月の更新申請の時から適用されるそうですので,今から忘れずに手続をされるようにしてもらいたいものです。

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入国・在留申請の前提としての事業所設置

 外国会社の日本営業所設置(税務上の届出は「外国普通法人」)については,私の事務所の受任案件の中では比較的ポピュラーな案件である。

 この種案件は,何かの前提として行う事が多い。単純に見れば,日本で何らかの事業を行うためということになるが,在留資格制度の下,外国人が日本に長期滞在して活動する(適法な在留資格を取得する)ため,このシステムを利用するメリットがある。オーナー・経営者が日本に滞在するためであれば要件を充たした日本企業(外資系)を設立すればOKということであるが,事務系・営業系・技術系の従業員を本国から呼寄せるにあたり「人文・国際」「技術」の在留資格に要求される実務経験年数を充たしていない社員をどうしても呼寄せたい・・・というニーズに使える上,日本支店代表者は(支店の規模内容が投資・経営の基準を充たしていることが必要ではあるが)投資・経営の在留資格を取得できるから,最初の事務量は若干増加しても,外国会社日本支店として設置するメリットはある。

 投資・経営の活動を行おうというときに誰でも先ず思い浮かべるのは,日本における会社設立であるが,爾後の計画いかんによっては外国会社(外国に本店があることが前提だが)の日本支店設置,というプロセスを選択することと比較して日本での起業を検討していただきたい,と思っている次第です。

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2009年5月31日 (日)

明日から横浜入管移転

東京入管横浜支局が明日から移転となります。

これまでは元町から徒歩5分で便利でしたが,今度はJR新杉田からバスに乗って10分。

横浜での申請は1日仕事になりそうです。

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2009年1月 9日 (金)

新年気分もそろそろ薄れて

遅ればせながら,新年のお慶びを申し上げます,何かのご縁でこのブログに立ち寄った人たちにも,これからの1年が充実した年であるように祈念いたします。

森口事務所の平成21年は昨年同様東京入管での許可証印受領から始まりました。このところ,比較的早めに許可が出ているので有難い限り,この数年の入管職員増員等,役所が外国人関連サービスに力を入れている成果かなとも思っております。もっとも,限界事例や難案件には今後とも時間がかかることは当然でしょうし,これから新卒者の就労資格への変更申請が集中する季節が来ますので,また長時間待ちを覚悟しなければいけないということは忘れておりません。

ところで,今年の正月休みは久しぶりに充実して過ごしました。以前にブログで「面白い」と書いた浦部先生の憲法学教室を2日で読み,次いで佐藤幸治先生の憲法を読み込んで,更に前田教授の基本書と,読書三昧。昨年末はテレビやドラマ+お酒でだらけきってしまいましたが,今年は年初から絶好調です。5日からは仕事+飲み会で一寸体力消耗しましたが,移動中は判例百選読み込みをすることにしたので,1日に少なくとも5時間は勉強時間は取れています。・・・・それを生かすのが今年の課題と肝に銘じ,やってみようかというのが新年の抱負です。皆様はいかがお過ごしでしょうね。マスメディアの極端な不景気報道に振り回されずに,目標を持ってこの1年をしのぎましょう。

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2008年12月12日 (金)

また虚偽申請の共犯者が

 NPO法人役員と行政書士が不法入国幇助の共犯で逮捕されたというニュース。

 年に1度くらいこういうケースの検挙が報道される。全体からみれば何千分の一と思うが,入管届出済行政書士の評判を落とすという点,困りものだ。

 それにしても在留資格認定証明書交付申請1人当たり100万円以上の報酬を取っているらしから驚きだ。こういう人たちはさんざ儲けたあとだから懲戒処分など痛くも痒くもないのだろうか?それとも飽くなき金銭欲で,儲け足り無いうちにつかまったと思うのか?

 司法書士の2億円超脱税は,脱税の点はさておき,儲けの額という点からは債務整理業務という大量生産だから,そうやって広く薄く儲けるのが実業の筋だろうなぁと思うが,

単発で不採算の入管申請業務で億を儲けるのは余程安定的な継続客(大企業の申請代理を単純なものまで全部受けるとか安い単価を大量に)でもないかぎりそもそも無理な世界,

犯罪をたくらむ人たちよ,コンナ不採算な世界に来ないで,もっとオイシイ儲け口のある世界に行きなさい。

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2008年11月22日 (土)

先月のことですが

東京入国管理局の玄関先には、時々抗議行動をする団体が気焔を上げていることがある。

これまでおなじみなのは、難民申請中の不法残留者の収容につき「釈放しろー」というものであった。一時期は在留資格「興行」の絞込みで頭にきたPパブ業界に頼まれたのか右翼団体を名乗る街宣車が「許可しろー」と脅しをかけていた。

いづれも外国人を入れろ、居させろという主張で共通していたのだが、先月のは違った。

「不法就労を通報しても摘発しないのはケシカラン!収容・送還しろー」と市民団体らしき若者達がマイクで気勢を上げていた。

入管前の政治活動も、何か世相を世相を反映しているのかなあ、と思った次第です。

いづれにせよ、私達は現行法の枠組みの中でお客さんにアドバイスし、フォローし、坦々と仕事をこなしていくだけです。

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2008年9月16日 (火)

久しぶりの取材

1週間ほど前、昨今話題になっている相撲取りの大麻吸引に関し入管法上どうなるのかという報道機関の取材があった。

入管法改正問題や人道上の在留特別許可の可否が大きな話題になっていた何年か前にはやたらと取材があったが、今回は久しぶりだ。

そういえば、ブログを書くのも久しぶり。

ちなみに、例の相撲取り、公判請求されたわけでないので有罪判決を受ける予定も無いわけだから入管法上は24条(退去強制事由)に該当せず、普通の人だ。もっとも、相撲取りを辞めさせられたから在留資格「興業」の該当性は失っている。また仮に該当性があったり、何らかの在留資格に変更を求めたとしても、更新・変更のときに問題となる「相当性」はさすがに認めにくいであろう。

では、一旦出国して再来日することは可能か、5条(上陸拒否事由)該当に至っていないので可能なようにも思えるが、まず査証裁量権で引っかかり、上陸審査にあたっては活動内容を厳格に審査されて・・・ということになろうから理論的には再来日可能でも困難と思われる。

全くWEBに触っていないと、時によっては廃業しただの米国に移住しただのと、あらぬ噂を立てられることがあるので久々ブログを書いてみたわけです。

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2008年4月30日 (水)

明確化とはいうものの

 入国管理局のWEBサイトで、時々●●について明確化といった説明の文書がUPされる。

 投資・経営の基準の明確化、人・国の明確化云々・・・と。確かに書いてあるケースは一見明確だ。しかし、個々の事例で一般人が判断するには全く材料不足と言えるのではないか。

 このような、コンクリートみたいに堅いという案件を事例として紹介されても、結局これまでと変わらない。と、思うのは私だけだろうか。

 基準の明確化なるページに書かれている典型事例の方々以外については、やはり申請前に専門家に相談なさることをお勧めします。というのが私の感想。もっとも、やみくもに相談するのではなく、相談内容を整理したうえでお越し下さい。

 なお、当事務所は5月16日までは既にスケジュール一杯ですので、事務所での相談をご希望の方はそれ以後に願います。

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2008年3月15日 (土)

期間更新を甘くみるな

 就労資格の在留期間更新申請は、同一の条件で同一の勤務先に勤めいる場合、申請書の他には在職証明書と源泉徴収票を添付すれば足り、書面の用意はごく簡単なものである。そして通常は、すんなり許可になる。

 そのようなわけで、更新申請を甘く見ている外国人やその雇用企業が多く、更新について専門家に相談を受けたり代理申請を依頼するということはあまりないのが現状だ。

 ところが、甘く見すぎて陥穽にはまってしまう人もまま見受けられるのである。更新申請の内容が当初の在留資格認定証明書交付申請や変更許可申請のときと大幅に齟齬をきたしているのに気付かず提出してしまい、慎重審査案件に回されたりして初めて相談に来る。

 よくあるのは、当初の雇用契約で給与の額に含めていた金額を、税務対策上、給与として計算せず社宅を提供しているため、源泉徴収簿に計上する給与額が、当初入管に提出した雇用契約の金額よる大幅に少ないケース。安易にあとさきを考えず処理するものだから在留期間更新申請時に、当初の雇用条件さえ虚偽でないかと疑われるハメになる。

 その他にもいろいろなケースがある。提出書類が少ないからといって転職なしの在留期間更新許可申請をナメてはいけないのである。

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«すいているときはすいている。しかし